2010年3月16日火曜日

時事通信の記事力

どちらかと言えば,ネット上に記事を転載した記者,スタッフの語学力の問題であるが,

名誉棄損「報道と同基準」=ネット書き込みで初判断−会社員の有罪確定へ・最高裁
3月16日17時42分配信 時事通信
 インターネット上でラーメン店チェーン運営会社を中傷する書き込みをしたとして、名誉棄損罪に問われた会社員橋爪研吾被告(38)について、最高裁第1 小法廷(白木勇裁判長)は15日付で、被告側上告を棄却する決定をした。罰金30万円とした二審の逆転有罪判決が確定する。
 決定で同小法廷は、ネット上の個人表現での名誉棄損罪の成立について、「ほかの表現手段と比べ、より緩やかな要件を適用すべきではない」とする初判断を示した。
 同小法廷は、個人発信のネット情報について、「信頼性が低いと受け取らない閲覧者もおり、ほかの表現手段と区別して考える根拠はない」と指摘した。
 その上で、ネット情報は不特定多数が瞬時に閲覧可能で、被害が深刻な場合もあり得ることや、ネット上の反論で名誉回復が図られる保証はない点を考慮。メディア報道などと同じ基準で判断すべきだとした。


裁判所は緩やかな要件を適用すべきではない,と言っているのであるが記事では次のようにまとめている,「信頼性が低いと受け取らない閲覧者もおり、ほかの表現手段と区別して考える根拠はない」。受け取らない閲覧者がいるのであれば,ほかの表現手段と区別して考える根拠があるのでは?と考えるのが普通である。で,この記者(転載したスタッフ)は,その上で,とつなげる。
一度自分の文章を読み返した方が良いのではと突っ込みたくなる記事である。

で,いまいちしっくりこないので他の記事で確認。まあ,裏を取るということ。
ネット書き込みでの名誉毀損めぐり最高裁が初判断 有罪判決確定
3月16日18時42分配信 産経新聞
 ラーメンチェーン店の運営会社が「カルト集団」と関係があるかのような書き込みをインターネットのホームページ(HP)に掲載し、名誉を傷付けたとして、名誉棄損罪に問われた会社員、橋爪研吾被告(38)上告審で、最高裁第1小法廷(白木勇裁判長)は、橋爪被告側の上告を棄却する決定をした。1審東京地裁の無罪判決を破棄、罰金30万円の逆転有罪とした2審東京高裁判決が確定する。決定は15日付。
 ネットの書き込みで名誉棄損が成立するかどうかについて、最高裁が判断を示したのは初めて。
 同小法廷は「個人がネットに掲載したからといって、閲覧者が信頼性の低い情報と受け取るとは限らず、ほかの表現手段と区別して考える根拠はない」と指摘。その上で、「不特定多数が瞬時に閲覧でき、名誉棄損の被害が深刻になり得る。ネット上での反論で被害回復が図られる保証もない。ネットだからといって、より緩やかな要件で同罪の成立を否定すべきではない」と結論づけた。
 1審は「ネットは利用者が自由に反論でき、情報の信頼性も低い。故意のうそや、可能な事実確認をしなかった場合に名誉棄損罪が成立する」との基準を示し、無罪とした。しかし、2審は「ネットで真実ではない書き込みをされた場合、被害は深刻になる。ネットは今後も拡大の一途をたどると思われ、信頼度の向上が要請される」などとして、名誉棄損を認めた。
 判決によると、橋爪被告は平成14年、自らのHPにラーメンチェーン店の運営会社を「カルト団体が母体」などと中傷する書き込みを行った。

産経では,個人がネットに掲載したからといって、閲覧者が信頼性の低い情報と受け取るとは限らず、ほかの表現手段と区別して考える根拠はないと,受け取るとは限らず,と“限らず”が入っている。
いや,これがあるとないとでは全く意味が異なりますよね。

いや,確認は大切ですね。

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