2009年5月19日火曜日

最近の出版業界に関して

出版不況は底が見えず、96年からほぼ一貫して下降を続けている。しかし、一方で新刊点数ばかり増えている。この現象を、2009年05月02日の朝刊(週末be)で、以下のように書かれています。
ライターで早稲田大文学学術院教授(出版文化論)の永江朗さんは「この爆発的な発行点数の増加は粗製乱造、コンテンツ低下の証左と言っていいと思います。本が売れないからたくさん出し続ける、という自転車操業が必然的矛盾となってしまっている」と分析する。
 明治学院大准教授(メディア論)の長谷川一さんも書籍の行く末を案じる。
 「旧来の出版というのは、選抜された人の知識や理念、いわば上澄みを商品化するものでした。今は違ってしまいました。書き手の敷居が低くなったとも言えるし、読者がつけば本になる『教養のデフレ化』も進んでいます」

名著と言われるモノが少なくなっている?とまでは言いませんが、新刊という麻薬をどんどんどんどん撃ち続けている状態なのですかね。

その次は、googleとデジタルBOOKSのお話。
■米グーグルの書籍デジタル化、著作権巡り国際的波紋
 米グーグル社の書籍デジタル化事業を巡り、同社が米国の作家らと和解した問題が、各国の作家や出版社に波紋を広げている。
 著作権を巡る国際的混迷は、デジタル化時代に書籍の著作権をどう守り活用するかという難問も突きつけている。
 ◆日本では作家ら賛否両論◆
 「アメリカの和解が日本の権利者を巻き込むなんて、とんでもない!」——。4月24日、東京の日本ペンクラブに、作家や出版社の著作権担当者らが集まり、異例の意見交換会が開かれた。
 グーグルと米国の作家らとの和解が世界の書籍に影響するとの通知がなされ、グーグルのデータベース化を前提とした和解に参加するか否かの決断を日本の著作権者も迫られたからだ。参加者からはグーグルへの反発と、突然の事態に困惑する意見とが相次いだ。
 データベース化の対象作品は、把握分だけで新潮社で約1万2700点、集英社は約1万5000点。既に「日本ビジュアル著作権協会」の著作権者らが和解拒否を表明し、日本文芸家協会や日本ペンクラブも4月に「日本の著作権者と出版各社を大混乱に巻き込んだ」(文芸家協会)とする抗議声明を発表した。
 ただ、著者や出版社の大勢は、反発しながらも和解へ参加する方針だ。日本文芸家協会は「最低限の防衛策」として、和解に応じた上で個々のデータの削除を求めることを勧めている。三田誠広副理事長は「個別にグーグルへの訴訟を起こすのは、時間と労力がかかり、損害額の算定も難しい」と説明する。
 一方で和解を肯定的にとらえる著作権者もいる。作家の佐々木譲さんは「ネット上で作品が公開されれば、本に触れる機会が広がり、新たな読者を作り出す」と期待する。
 ◆仏独は反発・抗議◆
 フランス作家協会は「著作権の原則に対する侵害」と反発する。著作権は、「人権」と同様、申告しなくても自動的に発生するとする欧州流の考え方が根底にある。
 ドイツ作家協会も「欧州の概念と相いれない」との抗議声明を発表した。出版社も認識は同じだ。スイスで出版社を営むベルナール・カンピシさん(56)は「米国人たちが勝手に決めた。著作権の聖域が侵された」と憤りを隠さない。
 一方、英語圏の英国とアイルランドでは肯定的な見方が強い。両国の作品は多くが米国内でも流通し、今後グーグルから獲得できる著作権収入は小さくない。英作家協会、英出版社協会ともに、和解に歓迎の意を表明した。
 欧州全域の作家団体を束ねる欧州作家会議(本部ブリュッセル)のミリアム・ディオカレツ事務局長は、和解について「倫理と利潤の二つの側面がある」と指摘する。著作権の原理原則に基づく倫理を取るか、グーグルの手を借りて利潤追求を優先するかという難しい選択だ。
 ◆米の出版社などは歓迎◆
 和解には全米出版社協会や全米作家組合も歓迎の意向を示しているが、「絶版書籍販売に関してグーグルによる事実上の独占になる懸念がある」との法律専門家の見解も伝えられている。
 和解の意義についてグーグルが強調するのは、絶版などで入手困難な書籍の「救出」だ。書籍のデータベース化により、読者は図書館でしか読むことのできない書籍を容易に探し購読できる。著作権者も新たな販路の登場で、印税収入の道が再び開かれる。グーグルの書籍検索システムの責任者のひとりトム・ターベイ氏は、「20世紀に発刊された書籍のほとんどが、もはや収入に結びつかないと出版社から見捨てられていた」と指摘している。(文化部 川村律文、ニューヨーク 佐々木良寿、ブリュッセル 尾関航也)(2009年5月4日15時56分 読売新聞)
これも大きな問題ですよね。個人的にはなんでもアメリカ流というのはいかがなものなので、日本は日本の独自で良いと思っています。また、日本語はマイナー言語ですから、海外からの閲覧にともなう収益は、日本の作家にさほど還元されないと思います。英語で書かれた本であれば、非英語圏からもそれなりに閲覧があるでしょうし・・・。結局日本人が本を買わないで読むぐらいだとしたら、日本の作家にとってこの和解に乗るのは、逆にない方がいいですよね。佐々木譲さんがいわれているような、新たな読者は、紙でなくネットの読者となるんだとしたら、逆に首をしめている用な気がします。

最後の話題は、ブックオフの買収の話
■出版3社と大日本印刷、ブックオフ株を取得
講談社、集英社、小学館の出版大手3社と大日本印刷などは13日、中古書籍販売大手のブックオフコーポレーションの発行済み株式の28.90%を取得すると発表した。苦境が続く出版業界での生き残りをかけ、新刊本を定価で販売する出版社が、ライバル視してきた中古本市場を取り込む。
 出版3社は4.29%ずつ、大日本印刷は丸善などグループ企業2社を含め計16.03%を、ブックオフの筆頭株主である日本政策投資銀行系のファンドなどからそれぞれ買い取る。株式譲渡日は20日。金額は明らかにしていない。
 出版社側は「新刊と中古本市場が協力し、出版業界全体の繁栄につなげたい」、ブックオフは「今後の展開は、株主の各社と話し合っていく」としており、具体的な提携の内容はこれから協議する。
 ブックオフは、全国922の店舗網を使って中古本を安く買い取り、安く販売してきた。新刊本の売れ行きの鈍りの一因とも指摘され、著作権の保護をめぐり、出版社と対立したこともあった。
 出版社側が資本関係を構築したことにより、こうした問題についてブックオフに一定の影響力を持つことになった。ブックオフの店舗網を新刊本販売に活用できるかどうかも検討するとみられる。
 ブックオフは、07年に不正経理問題が発覚して経営が悪化。08年に政投銀系など二つのファンドが14.45%ずつ株式を取得していた。(内山修)2009年5月13日20時26分

ずっともめていた、ブックオフの取次ぎとしての機能が、日本の書籍ビジネスに体して風穴を開けたというか、出版社からの新古本を裁断する前に、二束三文でもということで持ち込まれるようになったのが、ことの始まりかと思うのですが、まあ、今後は再販制も含めて、いろいろと議論されるべきなものだと思います。電化製品と違ってただ安ければ良いというものじゃないですからね、書籍文化は。
結局の所は、漫画・コミックの流通に関しての対策を重視している様ですね。一般書籍は蚊帳の外…。もう、漫画は10年ぐらい買っていないかも、ほとんど読まないし・・・

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